【税理士試験対策】所得税法無料講座第7回【不動産、事業、山林所得】

お疲れ様です。

本日は3つの所得区分をみていきましょう。

基本的な部分を説明していきます。

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前回の解答

・上場株式→398,425円÷(100%-20.315%)=500,000円

・非上場株式→636,640円÷(100%-20.42%)=800,000円

公募株式投資信託→(826,850円-30,000円)÷(100%-20.315%)=1,000,000円

意義

まずは、不動産所得、事業所得、山林所得のそれぞれの意義を見ていきましょう。

不動産所得→不動産等の貸し付けによる所得

山林所得→所有期間が5年を超えて保有する山林の伐採又は譲渡による所得

事業所得→上記以外の事業的規模で営む業種でその事業から生ずる所得

不動産と山林は具体的な意義(不動産を貸す・山林を売る)がありますが

事業所得は具体的な意義はありません。

これは、不動産と山林は担税力等の問題から、あえて所得区分を分けており、それ以外事業は

事業所得として区分されることとなるためです。

そのため、あえて所得区分を分けるべき不動産所得と山林所得は具体的な意義があるのです。

ただ、不動産所得、事業所得、山林所得に共通する事は、すべて個人事業者による

所得区分だということです。

では、それぞれ見ていきましょう。

不動産所得

不労所得ともいわれる不動産所得

先ほど不動産所得の意義は

不動産等の貸し付けによる所得

といいました。

では、不動産等とは…?

不動産等

不動産等には次の3つに分類されます。

・不動産(土地・建物)

・不動産の上に存する権利(借地権等)

・20トン以上の船舶・航空機

ここで、20トン以上の船舶と航空機がでてきました。

実際は船舶や航空機は不動産ではなく、動産(移動できるから)だと思う方もいらっしゃると思います。

ただ、これらは法律上、経済的価値、権利関係の複雑さを考慮しこれらは不動産として扱っているのです。(登記なども不動産と同様に行う)

そのため、不動産として扱っていることから、不動産の貸し付けに該当することとなります。

留意点

次の留意点を見ていきます。

1 不動産所得に含まれるもの。

① ケース貸しによる所得

→建物の一部貸し付け

② 礼金・更新料・共益費等

→不動産の貸し付けに伴って得られるもの

2 不動産所得に含まれないもの

① 役務提供付き不動産の貸し付け(下宿・管理付駐車場・定期用船契約の船舶等)

→不労所得ではなくなるため

② 販売目的の土地の一時的な貸し付け

→事業不随収入となることから

計算方法

不動産所得の計算方法は次になります。

総収入金額-必要経費=不動産所得

イメージは収入から費用を引くです。

ここで、必要経費とあるように、必要とは業務上必要であること

が条件です。

つまり、家事上の費用を認めません。

これは、家事上の費用(例えば飯代、衣服代など)を認めると

所得がある人が贅沢をするたび所得が低くなり

税金が少なくなる

という、所得税の本来の考え方(低所得者には軽負担)が損なわれるためである。

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事業所得

事業所得は意義はないわけではないが、具体的な意義はないです。

ただ、事業的規模で事業を営んでいることが要件となります。

では、事業的規模とは?

事業的規模

事業的規模とは、具体的な基準がないため、難しいですが

簡単に言えば、その仕事で飯を食っている

と思えばいいと思います。

これは「社会通念上」で判断します。

社会通念上とは常識的考えてという意味です。

規模による差異

事業所得は事業的規模で営む事業から生ずる所得であるならば

事業的規模で営んでいないならばどうなるの?

と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

規模が小さい(事業的規模でない)場合は

事業所得ではなく、雑所得に区分されます。

事業所得の条件は事業的規模で営むことが条件だからです。

これは、後々説明しますが、事業所得に区分される人を優遇すべき

で事業で営んでいない人はそこまで優遇する必要性がないことから

所得区分を分けています。

ただ、不動産所得、山林所得も同じ個人事業者による所得であるため

規模の判定は必要です。

ただし規模かかわらず、不動産所得及び山林所得として計算することとなります。

これは、不動産所得や山林所得は担税力等の問題を考慮して所得区分を分けているため

規模は関係ないということです。

(意義でも「事業で営む」ことを条件としていないことから分かります)

事業不随収入

事業不随収入とは何でしょうか?

「事業から生ずる所得」とは、基本的には商品の売上など

本業に直結するものが考えられるが

その他にも、事業を遂行上付随的に生ずるものも事業所得に含まれる。

これは、「事業から生ずる所得」の「事業」が総合的な活動を指すことから

事業に関連して生じた所得も事業所得にすべき趣旨であると考えられるためである

では、この事業不随収入の具体例をいくつか見ていきましょう。

具体例

1 事業の遂行上取引先又は使用人に対して貸し付けた貸付金の利子

→元本保証がないため、利子所得×

→友人などの場合は雑所得

2 事業用資産の購入に伴って景品として受ける金品

→家事用資産などの時は一時所得

3 新聞販売店における折り込み広告収入

4 浴湯業、飲食業等における広告の掲示による収入

→屋上のネオンサイン等の設置による収入は不動産所得

(注)これは、屋上などの場合は広告の効果が事業を営んでいるか否かにかかわらず発揮するためである。

つまりここでは店舗内などによる公告を指す

5 事業用固定資産にかかる固定資産税を納期前に納付することにより交付を受ける地方税法に規定する報奨金(前納報奨金)

→家事用固定資産の場合は一時所得

→住民税も同様な規定有→その場合は一時所得

6 少額減価償却資産・一括償却資産の売却

→反復継続で売却しない重要資産の場合は譲渡所得

注:少額減価償却資産とは…取得価額が10万円未満

一括償却資産とは…取得価額が10万円以上20万円未満

固定資産は基本的には譲渡所得となる。

ただし、これらの資産は事業所得の必要経費に耐用年数を通じて費用処理する必要がなく

そのため、取得及び事業を供する事を事由に次の様な費用処理が可能となる。

少額減価償却資産→取得価額が取得年に全額必要経費算入

一括償却資産→取得価額を3年間で必要経費算入

そうした場合にすぐ売却し、譲渡所得に区分されれば、特別控除(50万円)までは

所得は課税されないため租税回避(非合理な税金逃れ)に利用できる。

それを回避するために特別控除が使用できない事業所得となる。

これは、一度費用処理した金額を修正する意味である

ただし、比較的に重要な資産の場合はこのようなことが考えられないため譲渡所得とするが

反復継続的に譲渡している場合は同じ理由から事業所得となる。

7 従業員に対して貸し付ける従業員宿舎にかかる賃貸料

→不動産所得×

計算方法

総収入金額-必要経費=事業所得

不動産所得と同じ

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山林所得

山林所得の意義は

所有期間が5年を超える山林の伐採又は譲渡

になります。

伐採とは山林を切って売却すること。

譲渡とは山林と山林が育成している部分の土地を合わせて売却することです。

そして、所有期間が5年を超えていることです。

では、5年を超えていなければ?

所得区分のまとめ

所有期間が5年を超えなければ山林所得には区分されません。

ではどの所得に区分されるのか?

まとめはこちらになります。

所有期間5年超→山林所得

所有期間5年以下で事業的規模→事業所得

所有期間5年以下で非事業的規模→雑所得

5年を超えなければ事業所得又は雑所得となる

ということになります。

これは、山林所得に区分されるそもそもの理由にあります。

山林所得は第4回【全体の流れ】でもあるように

総所得金額とは区分して税金を計算していきます。

それは、担税力に応じた計算をすべきであることから

総所得金額に区分せず、別個の課税標準を設け、分離課税として

5分5乗方式を採用するという理由でした。

では

担税力が無い

という根拠はなんでしょうか?

それは、山林は永年の育成により山林を伐採等することによる収入だからです。

つまり経常的な収入ではなく

数十年に1度に収入を得るという事です。

山林を育てるとなると1年~2年では育ちませんもんね。

そのため、永年の育成による所得を1暦年で総合課税するのは税金が

高くなりすぎるという理由から

分離課税及び5分5乗方式という課税方法になっているのです。

そして、その判断基準が5年を超えて保有しているかどうか?

になります。

5年を超えて保有していないのならば

その収入は担税力に問題ないからです。

計算方法

山林所得は少し特殊な計算方法になります。

1 総収入金額

2 必要経費(個別対応)

→具体的な費用は取得費・育成費・保管費・譲渡費用・伐採費用などがあります。

その年に発生した費用を計上するのではなく、売却した山林にかかる費用(原価)を費用処理します。これは収益と費用を対応して計上すべきだからです。

3 特別控除(最高50万円)

一時的な所得の少額不追及による控除金額です。最高とあるのは特別控除で損失がでることはないからです。

そのため、1から2を控除した金額が50万円以下ならば特別控除額はその金額となります。

4 1-2-3=山林所得

まとめ

以上が不動産、事業、山林になります。

基本的な内容だけですので、まずは基本をおさえてください。

では、お疲れさまでした。

続けて学びたい方はこちら(リンクを貼っていない時は作成中)

【税理士試験対策】所得税法無料講座第8回【給与所得Ⅰ】

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