【税理士試験対策】所得税法無料講座第4回【全体の流れ】

お疲れ様です。

所得税法無料講座第4回を始めていきたいと思います。

前回は所得控除まで見ていきました。

今回は今までの学習を踏まえ、全体の流れを簡潔に見ていきたいと思います。

いきなりすべてを伝えると頭がパンクすると思いますので、とりあえず知っていて欲しい所のみを学んでいきます。

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概要

所得税の計算の流れは大きく分けて5段階に分かれます。

それが次の区分です。

1:各種所得の金額の計算

2:課税標準の計算

3:所得控除額の計算

4:課税所得金額の計算

5:納付税額の計算

1つずつみていきましょう。

各種所得金額の計算

各種所得金額の計算とは、第2回で、所得税法では所得金額を10種類に区分します。

と学んだと思います。

その各種類のいわゆる「もうけ」を計算することがまず第1段階に行うことになります。

実際の計算方法や特徴などは次回以降に学んでいきます。

課税標準の計算

課税標準とは税金を算出するうえで基礎となる金額をいいます。

では、10種類の各もうけを計算した後はどうするのでしょう?

10種類に分けたままでは税金の計算は出来ません。

それは、所得税法はもうけの多寡に応じて税率が変化していくので分けたままでは計算が不可能なのです。

そのため、本来は個人のもうけは本来1つですから、10種類に分けた各もうけを合計する必要があります。

つまり、利子所得から雑所得までの各もうけを合計するということです。

そして、その合計した金額を総所得金額といいます。

ただし、ただ合計するだけならば大して難しくはないのですが、ここで終わらないのが所得税法の嫌なところ。

10種類の所得のうち注意してほしいものが4つ(本当はまだあるのですが、今回は4つだけ見ます)あります。

それが、譲渡所得、一時所得、山林所得、退職所得です。

では1つずつ見ていきましょう。

譲渡所得

いきなりですが、譲渡所得には、総合短期総合長期の2つに区分することが出来ます。

譲渡所得は、骨董品、宝石などをいうと説明したと思います。

では、短期と長期に分けるのはいいとして、何を基準に別れるのでしょうか?

それは、所有期間です。

つまり、骨董品などを持っていた期間と思ってください。

では、その期間の基準は?

それは5年超か否かです。

つまり所有期間が5年を超えている場合→総合長期

所有期間が5年以下の場合→総合短期

になるという訳です。

では総合長期と総合短期の違いとは?

見ていきましょう^^

まずは総合短期の説明からです。

これは簡単です。

というより特に何もないです。

他の所得と同様で、総合短期の金額を総所得金額として合算されることに変わりはありません。

注意すべきは総合長期になります。

それは総所得金額に合算される金額が総合長期の金額の1/2だということです。

つまり、総合長期の金額が1,000円あるとしましょう。

総所得金額に含まれる金額は1,000円ではなく、1,000円に1/2をした後の金額である500円ということになる。

ということです。

理由は譲渡所得の講義で説明します・

一時所得

次に一時所得です。

これも、総合長期と同様です。

総所得金額に合算するときに1/2を要します。

つまり一時所得が1,000円ならば

その半分の500円が総所得金額に含まれるということになります。

理由は一時所得の講義で説明します。

山林所得

山林所得は、総合長期や一時所得とはまた違った考え方をします。

話は戻りますが、10種類に区分された各種所得を合計した金額を総所得金額といいました。

このように、他の所得と合算し、所得税を計算していくことを総合課税といいます。

しかし、山林所得は少し特殊です。

なぜ特殊かというと、山林所得は総所得金額に含まれないからです。

つまり、他の所得と合算をしません。

総所得金額とは別に認識(別個に区分)をすることになります。

ちなみに、その山林所得の金額を課税標準では山林所得金額といいます。

そのままですね笑

この理由としては山林所得の特徴にあります。

山林所得とは、山林の伐採等による所得だという説明は第2回でもしたと思います。

その山林を育てて売るとなると、相当期間の育成を要しますよね。

それは3~4年といわず10年~20年以上は必要となります。

当然そのような山林の売却もかなりの多額な金額となるでしょう。

そのような所得を他の所得と合算する総合課税を行うとどうなるのでしょう?

超過累進税率は跳ね上がり、所得税が多額となる恐れがあるのです。

それでは担税力に問題があります。

そのため、担税力を抑えるために他の所得と区分しているのです。

その他にも、同様な理由から山林については特殊な計算があるのですが、それは後で説明します。

なお、このように他の所得と区分して所得税を計算していくことを分離課税といいます。

退職所得

退職所得も山林所得と同様で総所得金額に含めず区別して認識します。

つまり、分離課税により計算します。

退職所得は老後の資金のための収入であるため、担税力がないからです。

なお、退職所得の金額を課税標準では退職所得金額といいます。

まとめ

以上の説明をまとめると

総所得金額=利子所得+配当所得+不動産所得+事業所得+給与所得+総合短期+(総合長期+一時所得)×1/2+雑所得

山林所得金額=山林所得

退職所得金額=退職所得

になります。

所得控除額の計算

14種類の所得控除をそれぞれ計算します。

詳細は次回以降に説明します。

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課税所得金額の計算

課税所得金額の計算は基本的には

課税標準の金額から所得控除を引いた金額になります。

ただし、課税標準の金額は3つあります。

ここで留意して欲しいのは、総所得金額、山林所得金額、退職所得金額をすべて同額を引くのではないということです。

結論から言えば

総所得金額から順に引いていくということになります。

本来は所得は1つだからです。

あまり違いが分からない人の為に例題を見ていきましょう。

例題

総所得金額:100円

山林所得金額:100円

退職所得金額:100円

所得控除額:150円

控除順序(控除する順番)は

総所得金額→山林所得金額→退職所得金額

となります。

ここで注意しなければいけないのは

総所得金額から100円控除されると思いますが、所得控除は残り50円となると思います。

その50円を次は山林所得金額から控除します。

すると山林所得金額は50円余りますが、所得控除額は0円になると思いますので、もう所得控除として控除される金額はありません。

逆に総所得金額が200円だとしたら、所得控除額で150円がすべて控除されますので、山林所得金額と退職所得金額はそのままです。

所得控除額を控除後

所得控除額を控除が完了したら、次には税率を乗じていきます。

なお、その前に所得控除額を控除した後の金額についても、それぞれ名称(用語)がありますので紹介していきます。

総所得金額→課税総所得金額

山林所得金額→課税山林所得金額

退職所得金額→課税退職所得金額

といいます。

そして注意すべき点があるのですが、それは1,000円未満の端数が生じている場合は、切り捨てる必要があります。

例えば所得控除後の総所得金額が123,456,789円だとしたら

123,456,000円になる。

ということです。

山林と退職も同様です。

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納付税額の計算

では課税所得金額の計算まで終了したら早速納付税額の計算を行っていきます。

納付税額の計算は次の算式により計算されます。

1:算出税額

2:税額控除

3:差引所得税額(基準所得税額)

4:復興特別所得税額

5:源泉徴収税額

6:申告納付税額(百円未満切捨)

7:予定納税

8:第3期納付税額

1つずつ見ていきましょう。

算出税額

ここでは課税所得金額に対して実際に税率を乗じていきます。

次のとおりに計算します。

1:課税総所得金額×超過累進税率=×××

2:課税山林所得金額×超過累進税率(注)=×××

3:課税退職所得金額×超過累進税率=×××

4:1+2+3+=算出税額

となります。

ただし、課税山林所得金額に(注)あるように、課税山林所得金額に係る算出税額を計算するときだけは注意しなければなりません。

それは、課税山林所得金額に係る算出税額は5分5乗方式により計算しなければいけないということです。

5分5乗方式とは・・・?

という疑問が出てくると思いますので、説明しますね^^

5分5乗方式の目的は税金を安く抑えるためにです。

つまり、担税力の問題から通常の方法で計算するのは好ましくないから

この方法が採用されています。

では実際にどの様に計算するのか算式を見てみましょう。

(課税山林所得金額×1/5)×税率×5=×××

となります。

この算式にどの様な意味があるのか?

それは、最初の5分の1に意味があります。

超過累進税率は金額に応じて税率が異なりますが、5分の1することで、5で割ったあとの金額を基礎に税率を当てていくことができることになります。

例題を見ていきましょう。

課税山林所得金額が3,000万円とします。

通常ならば・・・

30,000,000円×40%-2,796,000円=9,204,000円

ですが。

5分5乗方式ならば・・・

(30,000,000円×1/5)=6,000,000円←この数字を基礎に税率を当てる

(6,000,000円×20%-427,500円)×5=3,862,500円

となります。

どうでしょう。

9,204,000円と3,862,500円の差額は5,341,500円

大分安くなりましたね^^

それも、税率が40%から20%まで抑えられたからです。

ただし、最後に5を乗じるのは、最初に5で割ったためです。

忘れないように!

退職については山林のような特殊な計算はありません。

税額控除

ここでは、詳しく見ませんが、所得税の計算では、税額から直接控除できる制度があります。

具体例をあげるならば、住宅ローン控除などです。

所得控除所得から控除するから所得控除

税額控除税額から控除するから税額控除

です。

両者の違いもしっかりと確認してください。

差引所得税額(基準所得税額)

差引所得税額とは

算出税額から税額控除を控除した差額の金額です。

復興特別所得税額

復興特別所得税額とは東日本大震災の復興財源として施行されたものとなります。

これも税金であり、納付すべき金額(加算される金額)となります。

その算式は

差引所得税額×2.1%=×××

となります。

つまり、税金を多額に支払う人ほど復興税も大きくなるイメージです。

源泉徴収税額

源泉徴収とは、利子や配当、給与といった一定の収入を得るときに一部源泉という形で所得税及復興特別所得税額が徴収される制度です。

つまり、税金の前払いとなります。

なので、納付すべき税金の計算上控除されます。

でないと2重に納付することになるからです。

申告納付税額(百円未満切り捨て)

いままでのまとめると

算出税額-税額控除+復興特別所得税-源泉徴収税額

となります。

その残りの金額が申告納付税額となります。

基本的にはこの金額が納付すべき金額となります。

ただ、注意すべき点は、百円未満を切り捨てるということです。

百円未満の端数はいらないよってことですね。

予定納税

これは、全員ではないのですが、特定の者は予定納税というものを支払っている場合があります。

これも、源泉徴収同様税金の前払いです。

なので、申告納付税額から控除します。

第3期納付税額

実際に支払うべき金額が、この金額となります。

第3期とは

予定納税を支払う者は

2回(7月と11月)支払う必要があります。

なので、第3期は3回目に支払うため、第3期となります。

計算期間

ちなみに、所得税法の計算期間はいつからいつまででしょう。

法人と異なり全員同じです。

毎年1月1日~12月31日の暦年になります。

まとめ

以上が全体の流れになります。

基本的な内容しか説明していませんが

細かい内容は今後説明していきます。

まずは、流れを理解しましょう。

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問題

第3期納付税額を求めなさい。

【各種所得の金額の計算】

配当所得:1,000,000円

事業所得:5,000,000円

譲渡所得(総合長期):5,000,000円

山林所得:200,000,000円

雑所得:500,000円

【所得控除額の合計額】

3,000,000円

【その他の資料】

住宅ローン控除:200,000円

源泉徴収税額:20,315円

予定納税額:400,000円

※正解は第5回に掲載

続けて学びたい方はこちら(リンクを貼っていない時は作成中)

【税理士試験対策】所得税法無料講座第5回【利子所得Ⅰ】

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